原材料から作るお菓子屋さん、お菓子工房ゴドーです。
玉ねぎは貯蔵性の高い野菜ですが、それでも年末ごろになると段々痛みが出始めてくるもの。そこで「保存食=ジャム」という安易な発想から玉ねぎジャムを作ってみました。
玉ねぎジャムのレシピと玉ねぎパウンドケーキのレシピを解説します。
目次
材料
- 玉ねぎ 1kg(正味800gくらい)
- 砂糖 400g
- レモン汁 1個分
作り方
玉ねぎの皮を剥き、ざく切りにする。
ざく切りにした玉ねぎと砂糖を鍋に入れ、火にかける。
玉ねぎが全体的に透明になってきたら、レモン汁一個分を加え、粘りが出るまでさらに火にかける。
ここでレモン汁を加えるのは、ジャムを作るのにペクチンという物質が必要だからです。玉ねぎにはペクチンが含まれていないのでレモン汁に含まれているペクチンを利用しています。
ジャム状になったら火からおろして完成です。
見た目はまるでりんごジャムのようになりました。
使いみち
見た目がりんごジャムのように透き通っていて美味しそうだったので気体を膨らませつつ食べてみました。
すると…マズイ!砂糖を比較的大量に入れているせいか(玉ねぎの半量)とても甘く、
食感はりんごジャムのようでありながら徐々に口に広がる玉ねぎの風味。見た目が美味しそうなので子供たちも勝手に食べていましたが一様に顔をしかめています。
どうしよう、これ…こんなどうしようもない物を1kg以上作ってしまって、しかし捨てるわけにもいかず……と悩みます。
そこで私はパティシエの妻に「お菓子に使えないか」と打診してみます。妻は乗り気ではないながらも、玉ねぎジャムのパウンドケーキを試作してくれました。それがこちらです。
試作ができたというので勧められるまま、しかし恐る恐る玉ねぎジャムのパウンドケーキを食べてみると…美味しい!パウンドケーキのバターの風味と玉ねぎの味わいが絶妙で、玉ねぎジャム単体のときとはまったく異なる美味しさに変わっていました。
それからこの「玉ねぎジャムのパウンドケーキ」はお菓子工房ゴドーのレギュラー入りすることになりました。意外性もあるし、「野菜のケーキ」というところが「農家が作ったお菓子」という感じで気に入っています。
ただ置いているだけだと敬遠されがちですが、イベントでは積極的に勧めるようにしている一品です。
変わったパウンドケーキを作りたい方は、是非試してみてください。
玉ねぎパウンドケーキの作り方(小パウンド型20個分)
材料
- バター 231g
- 卵 192g
- 国産中力小麦粉(自家製) 154g
- きび砂糖 128g
- おから 48g
- 自家製米飴 62g
- 玉ねぎジャム 適量
バターを練り混ぜる
バターが空気を含むように、ハンドミキサーか泡だて器で練り混ぜます。一番力がいる作業ですが、パウンドケーキの仕上がりに大きく影響するプロセスなので、バターが白っぽくなるまでしっかり混ぜましょう。お菓子工房ゴドーではキッチンエイドの業務用ミキサーを使っています。沢山お菓子を作る方にお勧めです。
まとめ
- ジャムのレシピは「玉ねぎ2:砂糖1:レモン汁適量」
- ざく切りにして玉ねぎが透明になるくらいまで火にかける
- 玉ねぎが透明になったころにレモン汁を加えてさらに火にかける
- ジャム状になったら完成
- パウンドケーキを焼くときに上にトッピングして焼くと美味しい
是非皆さんもチャレンジしてみてください!