原材料から作るお菓子屋さん、お菓子工房ゴドーです。
米飴、と言うとなじみが無い方も多いかもしれません。
簡単に言うと「お米を材料にして作った水あめ」のことです。
また、漢方では膠飴(こうい)とも呼ばれ次のような作用があるとのこと。
(以下、コトバンクより引用)
漢方薬に用いる生薬(しょうやく)の一つ。米、小麦、粟(あわ)などの粉に麦芽(ばくが)を混ぜて糖化させ、それを煮詰めた水飴状のもの。とくに糯(もち)米が適するとされる。滋養強壮、健胃、鎮痛、鎮咳(ちんがい)などの作用がある。
お菓子工房ゴドーでは、生キャラメルやパウンドケーキに自家製の米飴を使用しています。
マクロビオティックに詳しい方ならおなじみの物かもしれませんね。
ここでは米飴の作り方を解説します。
目次
米飴ができるまで
ここで米飴ができるまでの大まかなプロセスを確認してみましょう。
- ご飯を炊く
- 炊いたご飯にアミラーゼという酵素と水を加える
- 70℃で保温して一晩置く
- アミラーゼと水を加えて一晩置いたご飯を絞る
- 絞った汁を鍋で煮詰める
アミラーゼという酵素をどこから調達するか?が問題になりますが、アミラーゼは麦芽に含まれています。ですので麦芽を手に入れるところから始めましょう。
材料と道具
米飴の材料は次のとおりです。
- もち米(無ければうるち米でも可) 三合
- 麦芽 50g
- 水 適量
道具は次の物があると良いでしょう。
- 炊飯器
- 温度計
- 手ぬぐいか目の粗い布(飴の元を絞るときに使います)
麦芽を作る
お菓子工房ゴドーでは小麦を作っているので、この小麦を使って麦芽を作ります。
「そこからかよ!」というツッコミが聞こえてきそうですが、お菓子工房ゴドーでは「できることは自分でやる。作れる物は自分で作る」がモットーなので(今思いつきました)、まず小麦から麦芽を作りましょう。
最初に、小麦を良く洗って水に浸します。
水を取り替えながら二日くらい浸しましょう。
次に湿らせたタオルなどに麦を包み、乾かないように注意しながら置いておきます。
水に浸してから三日目くらいでこの写真のようになります。
麦から何か出ているのがわかりますね。「これで麦芽の完成!」という訳ではありません。これは麦の「根っこ」です。麦は根っこが先に出るんですね。
もうしばらく湿らせたタオルなどで乾かさないように注意しながら置いておきます。
水に浸してからおよそ一週間、やっと芽が出ました!ここで出来た麦芽は日当たりの良いところで乾かしてあげましょう。ちなみに冷凍保存しておけば一年くらいは使えるようです。
炊いた米と麦芽を混ぜる
三合のもち米(なければうるち米)を炊飯器で炊いて、粉砕した麦芽を混ぜます。麦芽はフードプロセッサーなどで粉末状にして混ぜてあげましょう。
(写真ではうまく粉砕できていませんが…初挑戦だったので)
ちなみにお菓子工房ゴドーでは粉砕にマジックブレットを使っています。
このとき水を加え、温度を60℃程度に下げてあげましょう。
水を加えたら炊飯器を開けた状態で布をかぶせて一晩置きます。この状態だとアミラーゼが一番働く温度が保たれるようです(厳密に計ったわけではありませんが)。
一晩置いたら、お米がお粥のようにトロトロになっています。これを布で絞りましょう。
絞った後の様子です。これをじっくり煮詰めていきます。
半分以下に煮詰めて粘りが出たところで出来上がりです。
こうして見ると手間がかかって大変そうですが、麦芽さえあれば意外と簡単にできてしまいます。そう、麦芽さえあれば。
麦芽や米飴が欲しいという方へ
この米飴、自然食品を好む方やマクロビオティックに詳しい方から非常に好評で、欲しいと言う方もおられます。
しかし麦芽の製造と飴の製造販売には許可を取る必要があり、お菓子工房ゴドーの現状ではどちらも取得出来そうにありません。よって、米飴や麦芽は商品として販売しておりません(なお、自家製米飴を商品の原材料に使うことについては保健所から問題ない旨回答を得ています)。
米飴の製造許可が下りたため、お菓子工房ゴドーでは新たに米飴を販売することとなりました。オンラインショップや福山の自然食品のお店、「ナチュラルマーケットIKO」で取り扱い中です(2018年5月12日追記)
麦芽の製造許可は下りていないため、実際に麦芽を販売して米飴作りを体験してもらったり、出来た米飴をご家庭でも使ってもらえたらいいなあ、とは思うのですが、中々思うようにいきません。
麦芽さえ手に入ればご家庭でも十分作っていただける物です。ネット等で米飴や麦芽の販売をしているところを探してみるのも良いでしょう。
まとめ
- ご飯を炊いて麦芽を混ぜる
- 水を加えて炊飯器で一晩保存する
- 絞った汁を煮詰める
- 麦芽さえあれば家庭でも作れる
ここまで読んでいただきありがとうございました!
自家製米飴を使っているお菓子工房ゴドーの商品も、よろしくお願いします。